オオカミ緊急速報

　今日になったばかりの深夜、突然スマホから緊急速報の爆音が響き渡った。

　「津波情報」が発表されたとのことであった。

　これは一大事だ。

　テレビは、ほぼ全局が番組を切り替えて津波速報を始めている。

　そうこうしているうちに、またスマホから爆音が。

　「津波情報」の続報かと思いきや、いや、確かに続報なのだが、内容がさっきの文面とまったく同じである。

　そうこうしているうちに、またまたスマホから爆音が。

　内容は最初の文面とまったく同じである。

　そうこうしているうちに、またまたまたスマホから爆音が。

　内容は最初の文面とまったく同じである。

　そうこうしているうちに、またまたまたまたスマホから爆音が。

　内容は最初の文面とまったく同じである。

　
　これが、朝の8時過ぎまで、およそ15分に一回続くことになる。

　しかも、私の携帯、妻の携帯、娘の携帯、私のアップルウォッチ2個、妻のアップルウォッチ1個、合計6個の機械から爆音が鳴り響く。

　あまりに眠かったこともあり、通知を止める気力もなく、ちょっと寝たら起こされ、ちょっと寝たら起こされ、を何回も繰り返すことになってしまった。

　なお、妻と娘はまったく気付いておらず、爆睡していた。

　緊急速報には何の文句もないが、あれだけの回数の速報を送信する必要はあったのだろうか？

　センター試験真っ最中の受験生たちにとっては、二次災害になったかもしれない。

　速報を停止する気力のあった人は、再び速報を流すモードに戻しているとも思えず、次回の災害のときには気付かない人がいることになりそうだ。

　今日は早く寝よう。

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